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患者の皆様へ

とりわけ頭蓋咽頭腫と診断された患者様へのメッセージ

 この度は「脳神経外科医 大橋元一郎」のホームページをご覧いただき、誠に有難うございます。

 現在まで30年間、脳神経外科医として臨床の現場で働き続けてきました。その間、不思議なめぐりあわせで脳腫瘍の患者さんを多く治療してきました。その中でも、比較的まれな腫瘍である頭蓋咽頭腫の方の治療に携わる機会を多く頂きました。当初は頭蓋底外科手術の技術を磨き、全摘出を目指し懸命にかつ細心の注意を払い、最新の武器を用いて戦ってきました。それでも、全摘出が困難であったり、重い後遺症のため以前の生活や仕事に戻れない患者さんも少なくありませんでした。

 その後、私は放射線治療のひとつであるサイバーナイフ治療と出会いました。適応と照射量や回数を工夫すれば、どんな脳腫瘍に対しても良好な成績を上げていますが、特に頭蓋咽頭腫に対する成績には目を見張るものがありました。

 それ以来、手術の方法も信念も一変しました。合併症を出さない手術を心掛けました。これまでにサイバーナイフ治療と外科治療を組み合わせて治療を行った頭蓋咽頭腫の患者さんは60名以上になりますが、重度の合併症を生じた例はほとんどありません。術後のホルモンの回復も良好で、放射線治療後の合併症も5年以上の追跡で皆無でした。今後は、この治療法が頭蓋咽頭腫の治療の主流となります。

 学会や論文でも報告してまいりましたが、一般の方への浸透はまだまだで、今回有志の方のご協力あり、このホームページを立ち上げた次第です。皆様からの連絡をお待ちしております。

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